
After 46 Years Changabang's Massive West Wall Has Finally Been Repeated(Climbing Magazine)
Featuring vertical ice and mixed climbing at high altitude, it was of the hardest lines in the Himalaya 46 years ago. Despite many attempts it's repelled a second ascent until now.
オーストラリアのキム・ラディゲス(Kim Ladiges)、マシュー・ショールズ(Matthew Scholes)、ニュージーランドのダニエル・ジョル(Daniel Joll) の 3名チームが、インド・ガルワールヒマラヤにあるチャンガバン(6864m) の西壁を、8日間かけて 5月 2日に 46年ぶりに第 2登しました。

チャンガバン西壁は 1600m の花崗岩の壁で、1976年にイギリスのジョー・タスカー(Joe Tasker) とピート・ボードマン(Pete Boardman) が 21日間をかけて初登したルートです。
当時はまだ極地法が全盛の時代に、2人だけのチームでアルパインスタイルに近いスタイルで初登しています。
今回の 3名チームは、登攀前に過去の 20回以上のトライを分析し、第 2登されていなかった原因は壁の困難さではなく、天候や寒さ、高所順応、荷揚げなどが原因と考え、対策を行っています。
トライの 3ヶ月前から有酸素トレーニングを行い、遠征直前にはシャモニ周辺で 5週間のクライミングをしています。
4/11 にベースキャンプに到着した 3人は、約 150kg のアタック装備を、10km 離れた西壁の基部に作ったアドバンスド・ベースキャンプ(ABC) まで 8日間かけて運んでいます。その後、5150m の ABC から 5800m までロープをフィックスし、ベースキャンプに戻り、2日間ベースキャンプで休養を取ってからアタックしています。
チャンガバン周辺には高所順応に適した山がないことより、チャンガバンを登りながら順応を行っており、1日の獲得高度も 200-300m に押さえています。
4/25 にクライミングをスタートした彼らは、ポータレッジ 2つとテント 1つ、カム 3セット、ピトン類などのクライミングギア、10日分の食料を持って登っています。

天気はあまり良くなかったようで、西壁の核心部は技術的な困難ではなく寒さで、5.10 や A3 は多くのクライマーなら登れる範囲だけど、標高 6500m で M5、80度の傾斜のアイスを登るのは大変だとコメントしています。

今回の 3名のルートは初登されたルートとは違うラインからの登攀になります。
とにかく余り先は見ず、その日その日、1ピッチずつを機械的にこなして行った結果の登頂で、登頂した日だけは天気が良かったようです。
『山頂に立つ』という本の中で、チャンガバンの西壁初登の手記を、一部ですが読むことができます。