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フランスのセブ・ブワン、フランス・ベルドン渓谷で世界2本目のDNA(5.15d)を開拓・初登

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フランスのセブ・ブワン(Seb Bouin) が、フランス・ベルドン渓谷の Ramirole エリアで 2019年からトライしていたルートを初登し DNA としました。グレードは 9c(5.15d) を提唱しており、確定すれば、2017年にアダム・オンドラ(Adam Ondra) がノルウェー・フラタンゲルケイブ(Flatanger cave) に開拓した Silence と並び、世界 2本目の 9c(5.15d) ルートとなります。
詳細はわかりませんが、ベルドン渓谷でも比較的新しいエリアで、3年間、150日 250回以上のトライの末の完登になります。以下、セブのコメント。
私たちには希望があり、夢を持ち続けることができます。

たとえそれが遠く、ほとんど不可能に思えても、私たちの中には小さな光があり、それが私たちを何度も何度もトライさせるのです。

時には、その夢が実現可能であることを忘れてしまうこともありますが、私たちは何度も何度もトライしています。

迷って、信じられなくなることもあります。でも、何度も何度もトライするのです。

そんなときは、また戻ってくるために一旦遠くへ離れなければなりません。なぜそうするのかという本質を、私たちの行動の DNAを見つけなければならないのです。

成功する見込みのないプロジェクトに何度もトライするのは、頭がおかしいとしか思えません。

私は、この行動は本能的なものであり、私たちの心の奥底から出てくるもので、私たちのDNAに書かれているものだと信じたいのです。

DNAとは、私たちの分子の中にある、遺伝的形質を運ぶ酸のことです。

私のクライミングに対するアプローチは、本能的なものだと思いたいのです。自問自答することなく、ただトライし、壁の中にいる限りは幸せなのです。

この物語は、最も長く、最も激しく、そして最も印象的なものでした。

たくさんの愛があり、たくさんの恐怖もありました。多くの喜びと、多くのフラストレーション。多くの希望と、多くの疑念。

私は何度も打ちのめされました。

でも、その甲斐あって、美しく、感動的なラインになりました。

このプロジェクトを完成させることができて、私は幸せです。2019年に発見してボルトを打ち、2020年に半年間試し、2021年に半年間試し、今年の春、2回目のツアーでようやく終了点にクリップすることができました。

150日以上(200日に近いと思います) 滞在し、250回以上ルートをトライしました。

今までで一番難しいプロジェクトです。私のクライミング人生において、これまでトライし、登った中で最も難しいルートです。このルートは、私のクライミング人生におけるマイルストーンとなります。

このルートは、ベルドン渓谷の Ramiroleエリアでの一連の初登ルートの最終版です。今のところ、これらの初登したルートはどれも再登されていません。

グレードの問題は、今の私にとってそれほど重要とは感じませんが、避けては通れない問題です。数日間、夜通しで考えました。

この問題には適切な投稿が必要だと思うので、近々、天秤にかけて考えていたすべてのことを説明します。

9b+(5.15c) と9c(5.15d)、2つの可能性がありました。
私は、両方の議論を積み重ねました。
感覚、他のルート(Bibliography、Move、Beyond...) との比較、完登までにかかった時間や感覚のレベル、クライミングスタイルなどを考慮しました。自分の経験や正当性も疑いました。また、初登であることも考慮しました。
9b+を選ぶと安全策を取ることになりますが、9c を選ぶことはリスクを冒すことになります。

私は2014年からこの壁で、非常に厳し目なグレードを提案することで、安全策を取ってきました。そして結局、誰もここのルートを 1本も再登していません。
このルートを Bibliographie、Move、Beyond と比較すると、一歩進んでいるように見えます(投資した時間、フィーリング、クライミングスタイルを考慮すると、このエリアは 100%僕のクライミングスタイルです)。

9c を選ぶことはリスクを負うことです。自分のルートがダウングレードされるリスクです。
9c のルートは世界に1つしかないので、確信と自信を持つのはかなり難しいです。
私はこのような難易度のルートをトライしたことがありません。
このルートは Silence(9c/5.15d) と同列になるのだろうか?
これまで時間をかけてきたのは、初登するためだったのだろうか?

そんな疑問を抱きつつも、私はリスクを冒して最高グレードを提案します。
9cはあくまで「提案」であり、他のクライマーの意見、つまり確認や調整が必要です。
こうしてグレードは作られます。意見を集約することで、主観的な評価が少なくなっていくのです。
私たちのスポーツは美しく、審判は必要ありません。私達が審判なのです。アスリートとして、自分のパフォーマンスを判断することは美しいことですが、同時に難しいことでもあります。

だからこそ、他のクライマーに DNA を試しに来てもらいたいと思うのです。
美しいルートで、素晴らしいロケーションにあり、他のエリアからそれほど離れてはいません。
DNA には、興味を引き、楽しめるものがすべて揃っていると思います。

このプロセスに関わってくれたすべての人々に感謝します。忘れられない人生の一コマです。

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