アメリカのカルロ・トラバーシ(Carlo Traversi) が、アメリカ初の 5.15ルート・コロラド・Fortress of Solitude の Flex Luthor(5.15b) を第 3登しました。先月、アメリカのマッティ・ホン(Matty Hong) が第 2登したばかりでした。
このルートは 2003年にトミー・カルドウェル(Tommy Caldwell) が初登した、どっかぶりの石灰岩ルートです。初登したトミーはグレードには言及しませんでしたが、第 2登したマッティは 5.15b を提唱していました。
今回完登したカルロは特にグレードに関してはコメントしていませんが、マッティの意見を支持しています。
カルロは 2015年にジョン・カルドウェル(Jon Cardwell) と最初にトライしており、その後も何度かトライしていますが、完登できませんでした。今回は 1ヶ月に集中トライして完登しました。マッティやジョン、イーサン・プリングル(Ethan Pringle) らと一緒に登っていたようです。
カルロのコメント超訳。
このルートはとても奇妙なスタイルのルートで、ライフルらしいスタイルのルートです。つまり、ニーバーやハンドジャムを使って、トリッキーなムーブが必要なルートです。傾斜の強い壁でホールドをつかんでただ強く引くだけではありません。壁を這うように登っていくルートです。このルートでは、実際にただ下に引くホールドはほとんどありません。
2015年、ジョン・カルドウェルと私は、ただ終了点にクリップするだけのトライを何度もしました。正直なところ、それはあまりいい気分ではありませんでした。Flex Luthor に初めてとライする少し前に Kryptonite(5.14d) を完登していたのですが、Flex Luthor は何段階も難しく感じました。より持久力が必要で、よりトリッキーでハードなムーブのシーケンスをこなさないといけません。クライミングは本当にゆっくりと慎重に行う必要があり、流れを見つけるのが難しい。30m 以上の長さの間、ちょっとしたレスリングのような状態になるという事実を受け入れなければなりません。
Flex Luthor は 5.13+ の出だしから V12 のボルダーに入り、ホールドの悪いニーバーでレストして、V9 のカチのボルダーへ入ります。このレストポイントは良い方だけど、あまり良くはない。このレストまでは 5.15くらいです。上部セクションはトリッキーなボルダーの連続する構成で、終了点まで 5.14b と感じています。
核心は間違いなく下の V12 のボルダーです。そこは、最も難しく、最も持久力が必要なセクションです。ただ、最後の数手が自分にとってのレッドポイントの核心です。もう少し背が高ければ、落ちる可能性は少し低くなると思います。
今年の夏は、まったくトレーニングをしませんでした。どこもかしこも暑くて、モチベーションが上がらなかったんです。ジムでクライミングはしていましたが、ほとんどが現状維持のためでした。9月に入ってからは、もう少し自分を奮い立たせました。私のジムである The Boulder Field のまぶし壁でより長い時間をかけて登り始め、ジムにある多くのハードなボルダー課題を短いレストで繋ぐトレーニングをしました。 10月初旬にコロラドへ出発したときは調子が良かったのですが、「Flex Luthor」でしか「Flex Luthor」のための強さは得られません。ここでは、自分を最高の状態にするために数週間かかりました。
全体的に見て、交代で友人が来てくれるのは楽しかったです。それぞれがエネルギーとモチベーションを持って来てくれるので、The Fortress で一緒に過ごした人には感謝しています。
今回のルートは、天候やその他の要因で、思ったよりも時間がかかってしまいましたが、それでも楽観的な考え方を維持することができたのは良かったと思います。1ヶ月間、1つのことに集中していると頭が混乱してきますが、精神的な疲労を感じることなく努力を続けることができて本当に良かったと思います。
カルロは、ルートではカリフォルニア・タホーの Empath(5.15a) や世界最難クラックの 1本、ヨセミテの Meltdown(5.14c) を完登しています。
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