スポーツクライミングがオリンピック競技となった最初の大会、東京五輪・スポーツクライミング男子の金メダルは、スペインのアルベルト・ヒネス・ロペス(18/Alberto Ginés López) が取りました。楢崎智亜選手は惜しくも 4位という結果になりました。
男子決勝の見逃し配信は以下のリンクから観ることができます。
https://sports.nhk.or.jp/olympic/highlights/content/0545ef3b-c079-4032-abe4-289de84bca48/
https://sports.nhk.or.jp/olympic/highlights/content/0545ef3b-c079-4032-abe4-289de84bca48/
以下はハイライト動画
https://gorin.jp/video/6266670625001
https://gorin.jp/video/6266670625001
今回の複合競技の採点方式が、順位の掛け算ということもあり、リード競技の最後まで、順位が激しく入れ替わり、すぐには順位がわからない状況でした。結果を見ると、スピード、ボルダリング、リードの各競技の 1位の選手が、最終的にそれぞれメダルを獲得しており、楢崎選手がスピードで 1位を取れなかったことが最終結果に大きく影響しました。
総合順位
スピード | ボルダリング | リード | 総合ポイント | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | アルベルト・ヒネス・ロペス(スペイン) | 1 | 7(0T3z) | 4(38+) | 28 |
2 | ナサニエル・コールマン(アメリカ) | 6 | 1(2T3z) | 5(34+) | 30 |
3 | ヤコブ・シューベルト(オーストリア) | 7 | 5(1T3z) | 1(Top) | 35 |
4 | 楢崎智亜(日本) | 2 | 3(1T3z) | 6(33+) | 36 |
5 | ミカエル・マウェム(フランス) | 3 | 2(1T3z) | 7(23+) | 42 |
6 | アダム・オンドラ(チェコ) | 4 | 6(1T2z) | 2(42+) | 48 |
7 | コリン・ダフィー(アメリカ) | 5 | 4(1T3z) | 3(40) | 60 |
8 | バッサ・マウェム(フランス) | 棄権 | 棄権 | 棄権 | 棄権 |
【スピード】
スピード予選 1位の、フランスのバッサ・マウェムが、リード予選で上腕二頭筋の腱を断裂する全治 6ヶ月の怪我をしたことによる棄権で、トーナメント戦で最初に当たる、スピードが苦手なアダム・オンドラの 4位以上が確定するというスタートでした。
トーナメント準決勝でスピード優勝候補のミカエル・マウェムに勝った楢崎選手でしたが、決勝では出だしのトモアステップでスリップしてしまい、アルベルト・ヒネス・ロペスに負けて、スピードは 2位という結果でした。
スピード予選 1位の、フランスのバッサ・マウェムが、リード予選で上腕二頭筋の腱を断裂する全治 6ヶ月の怪我をしたことによる棄権で、トーナメント戦で最初に当たる、スピードが苦手なアダム・オンドラの 4位以上が確定するというスタートでした。
トーナメント準決勝でスピード優勝候補のミカエル・マウェムに勝った楢崎選手でしたが、決勝では出だしのトモアステップでスリップしてしまい、アルベルト・ヒネス・ロペスに負けて、スピードは 2位という結果でした。
スピード順位
1 | アルベルト・ヒネス・ロペス(スペイン) |
---|---|
2 | 楢崎智亜(日本) |
3 | ミカエル・マウェム(フランス) |
4 | アダム・オンドラ(チェコ) |
5 | コリン・ダフィー(アメリカ) |
6 | ナサニエル・コールマン(アメリカ) |
7 | ヤコブ・シューベルト(オーストリア) |
【ボルダリング】
ボルダリングの決勝は 3課題で行われました。スラブ系の第 1課題はアルベルト・ヒネス・ロペス以外は全員が完登、アダムだけが 2トライ目、他は全員 1撃でした。
2課題目はコーディネーションのランジからスタートし、トゥーフックをしながらのゴール取りという課題。完登はナサニエル・コールマンのみで、楢崎選手らはゴール取りで苦戦する形となりました。
3課題目はボリュームを円形に並べた派手な見た目の課題。ゾーンは全員が獲得するも、次のガストンでのダメコン取りを、アダムはスタティックで止めたものの、他は誰も取れず、完登者はゼロで、結果としてボルダリングでは 2課題を完登したナサニエルが 1位通過、他はゾーンまでのトライ数での差となりました。
スピードとボルダーの総合順位では楢崎選手、ミカエル、ナサニエルが 1位で並び、アルベルトは 4位となりました。
ボルダリングの決勝は 3課題で行われました。スラブ系の第 1課題はアルベルト・ヒネス・ロペス以外は全員が完登、アダムだけが 2トライ目、他は全員 1撃でした。
2課題目はコーディネーションのランジからスタートし、トゥーフックをしながらのゴール取りという課題。完登はナサニエル・コールマンのみで、楢崎選手らはゴール取りで苦戦する形となりました。
3課題目はボリュームを円形に並べた派手な見た目の課題。ゾーンは全員が獲得するも、次のガストンでのダメコン取りを、アダムはスタティックで止めたものの、他は誰も取れず、完登者はゼロで、結果としてボルダリングでは 2課題を完登したナサニエルが 1位通過、他はゾーンまでのトライ数での差となりました。
スピードとボルダーの総合順位では楢崎選手、ミカエル、ナサニエルが 1位で並び、アルベルトは 4位となりました。
スピード、ボルダーまでの総合順位
スピード | ボルダリング | 総合ポイント | ||
---|---|---|---|---|
1 | 楢崎智亜(日本) | 2 | 3(1T3z) | 6 |
2 | ミカエル・マウェム(フランス) | 3 | 2(1T3z) | 6 |
3 | ナサニエル・コールマン(アメリカ) | 6 | 1(2T3z) | 6 |
4 | アルベルト・ヒネス・ロペス(スペイン) | 1 | 7(0T3z) | 7 |
5 | コリン・ダフィー(アメリカ) | 5 | 4(1T3z) | 20 |
6 | アダム・オンドラ(チェコ) | 4 | 6(1T2z) | 24 |
7 | ヤコブ・シューベルト(オーストリア) | 7 | 5(1T3z) | 35 |
【リード】
前半はやや遠目なポケット、ホール系のホールドが続き、中間部は細かいホールド、そして終盤に遠くて細かいホールドが続くルートでした。
最初に登った楢崎選手が 33+ で、これが基準となり、ルートが得意なアダムが、完登目前の 42、最後に登場したオーストリアのヤコブ・シューベルトが見事完登し、唯一の完登となり、リード 1位を決めました。
前半はやや遠目なポケット、ホール系のホールドが続き、中間部は細かいホールド、そして終盤に遠くて細かいホールドが続くルートでした。
最初に登った楢崎選手が 33+ で、これが基準となり、ルートが得意なアダムが、完登目前の 42、最後に登場したオーストリアのヤコブ・シューベルトが見事完登し、唯一の完登となり、リード 1位を決めました。
総合では、優勝したアルベルトが、1位・7位・4位で 28ポイント、2位のナサニエルが 6位・1位・5位で 30ポイント、3位のヤコブが 7位・5位・1位で 35ポイントとなりました。楢崎選手は 2位・3位・6位で 30ポイントと、1ポイント差での 4位でした。やはり今回の採点方式である順位を掛け合わせるという方法により、種目で 1位を取ることが重要になっています。
優勝したアルベルト・ヒネス・ロペスのコメント
夢のようです。まったく予想していませんでした。決勝に進出できるとは思っていませんでした。夢が叶いました。
最初から決勝に進出することが目標で、難しいことはわかっていましたが、決勝に進出できました。予定通りに行かないことがいくつかあったので、とにかくベストを尽くすしかないと思っていました。
ポイントの計算をしていましたが、それは自分のためにならないと思い、計算しないことにしました。自分ができる限りのことをしようと決め、「うまくいったらうまくいくし、うまくいかなかったらいかない」と思っていました。
3位のヤコブ・シューベルトのコメント
信じられません!! オリンピックでメダルが取れました! 今日、私たちはスポーツの歴史をリアルタイムで体験しました。スポーツクライミングのメダルが初めてオリンピックで授与されることになったのです。
私は早くから、メダル獲得という目標を掲げていました。常にこの目標を明確にし、この数年間、目標に向かって懸命に、そして細心の注意を払ってきました。この目標を持って、7月26日に東京に行き、火曜日の予選に臨みました。スピード競技では自己ベストを 2つ出し、リードクライミングでは優勝しました。この目標を達成するために、今日はここ、青海アーバンスポーツパークに来ました。
日本の楢崎智亜選手やチェコのアダム・オンドラ選手など、優勝候補の選手が勢ぞろいしており、表彰台を目指して戦いました。私は、自分がこのスポーツの中で最も優れた選手の一人であることを示したかったのです。
信じられないほど疲れた1日でしたが、私は今、この野心的な目標を実際に達成しました。まだ完全には理解できていません。今日は多くのことが自分には不利に動いていました。
フランスのスピードクライマーであるバッサ・マウェムは怪我のために出場しませんでしたが、楢崎選手はスピードで 1位を獲得できませんでした。ボルダリングのパフォーマンスには満足していましたが、結果はそれを反映していませんでした。メダルの可能性はほとんどないと思っていました。
リードクライミングでは、その悔しさを壁にぶつけていました。全力を尽くさなければならないことはわかっていましたが、1位になったとしても、それだけでは不十分だと思っていました。
リードで完登した後は、自分がメダルを取れたことすら知りませんでした。コーチのレイニ・シェラーに 3位だと教えられて、初めて信じられました。この瞬間を忘れることはできないでしょう。
最後まで戦い続け、リードクライミングでメダルを獲得できたのですから、本当に素晴らしいことです。今回の大会では、信じられないほどの一体感を感じています。私がどのように登ろうとするかは明らかに問題ではなく、いつもうまくいくのです。
銅メダルの意味はとても大きいのですが、まずはこのことを理解しなければなりません。あっという間の出来事でした。私は長い間、一生懸命トレーニングをしてきました。このメダルにはたくさんの汗が詰まっています。それは私にとってすべてを意味しています。
この場を借りて、アルベルト・ヒネス・ロペス選手とナサニエル・コールマン選手の金メダルと銀メダルを祝福したいと思います!
関連リンク
- 東京五輪・スポーツクライミング男子予選結果(雪山大好きっ娘。+)