Grading: Adam Ondra and Alex Megos on Ethics and Kneepads (Gripped)
A discussion of climbing's ever evolving technology, ethics, and the ultimate effects of both on route grading and difficulting
最近話題になっているニーパッド(kneebar pad) の使用に関して、アダム・オンドラ(Adam Ondra) とアレックス・メゴス(Alexader Megos) の意見が取り上げられています。両者ともギアの進化に関しては肯定的ですが、利用に関しては意見が分かれています。
ニーパッドは本来、名前の通り膝の保護のための当て物ですが、クライミング用のニーパッドはニーバーをする際に、膝ではなく太ももを保護するためのあて布になります。
ニーバーが有効なルートでは、昔は太ももにダクトテープを巻いたり、ジーンズなどの厚手のパンツを履いたり、自家製のニーパッドを作って対応していました。
近年ではファイブテンなどのメーカーがニーパッドを販売しており、単なるあて布のレベルを超え、フリクション性能を持つニーパッドも出ています。
アダムはニーパッドの使用によってグレードが変わってしまうのは、悲しいことだけど、道具の進化であって仕方のないものと考えているようです。彼が初登した、ノルウェー・フラタンゲルケイブの Change(5.15c) を、イタリアのステファノ・ギゾルフィが第 2登した際、アダムがデッドで行った最初の核心をステファノはニーパッドを使ったニーバーで解決しており、それを見て複雑な気分になったとコメントしています。
アダムとステファノの Change の最初の核心の比較動画
一方、アレックスはニーパッドの進化に関しては肯定的ですが、使用に関してはケースバイケースとしています。先日アレックスが再登した、スイス・クレシアーノの A Story of Two Worlds(V15) のムーブを探る際、過去の完登動画を色々見ていて、ニーパッドを使用しているクライマーと使用していないクライマーがいて、疑問に思ったそうです。
小山田大さんの The Story of Two Worlds の動画。ニーパッドは使っていません。
キーナン・タカハシの The Story of Two Worlds の動画。ニーパッドを使っています。
アレックス的には初登したスタイルを重視し、初登者がニーパッドを使わずに登っているのであれば、使うべきでないとしています。
ボルダリングのスタイルとして、クラッシュパッドがなかった頃は、今で言うノーマット・スタイルで登っていましたが、クラッシュパッドが普及した現在では、ハイボールでの使用量に関しては言及されることもありますが、使用の是非に関して問われることは皆無となっています。
ニーパッドに関しては、ニーパッドを使わないとできないようなニーバーもあるようで、直接グレードに影響が出るため、使用の是非に関しては、アダムは使用するのは構わないが、使ったかどうかを明記すべきとコメントしています。
ニーパッドに関しては、クラックでのジャミンググローブの扱いと同じ様な感じになっていますが、現在の流れを見る感じでは、問題なしという形になりそうです。