K2 Climbed in Winter for the First Time!(Rock&Ice)
Around 5:00 pm on Saturday, January 16, 2021, a team of 10 Sherpas and Nepalis stood on the summit of the world's second-highest mountain, K2, on the border of Pakistan and China. It was the last of the worlds' 14 8,000 meter peaks still unclimbed in winter.
10人からなるネパールのシェルパチームが、世界第2 の高峰、パキスタン・カラコルムの K2(8611m) に、現地時間の 2021年 1月 16日 17時に冬季初登しました。彼らは山頂直下 10m で全員揃うまで待ち、最後は全員一緒にネパール国歌を歌いながら山頂に立ったそうです。K2 の登攀に一番よく使われる南東稜(アブルッチ稜) からの登頂になります。
K2 は 14峰ある 8000m峰の中で、唯一冬季に登られていない山として残されていました。今シーズンの冬の K2 は、4チーム、60人強の人数がベースキャンプ入りするというラッシュの状態でした。
4チームとは、49名からなるネパールの商業隊チームである Seven Summit Treks(SST)、ネパールのミンマ・ギャルジェ・シェルパらの 3人チーム、6人のシェルパのサポート隊が付いたニーマル・プルジャのチームとアイスランドのジョン・スノーリーとパキスタン人の 3人チームという 4隊です。SST には 8000m峰・14峰を全部登っているクライマーが 2人含まれています。
今冬シーズン、最初にベースキャンプ入りしたのはジョン・スノーリーのチームで 2020年の 12月 5日にベースを作っています。その後、ミンマ、ニーマルと続き、SSTは 12月 29日と最後に入っています。
冬季に関する定義はやや曖昧で、12月から 2月末までと考えるチームと、冬至(12月 21日)から春分(3月 21日) までと考えるチームがあり、今回の登頂に関してはどちらの条件も満たした期間となっています。
1月 7日までに 7300m まで一旦は C3 まで設置したものの、その後の悪天候で C1 も C2 も飛ばされてしまったそうです。K2 の冬の天候は悪いと山頂の風速は時速 100km を超え、ベースキャンプでさえも 40km を超えるそうです。
チームは 4隊に分かれているものの、登攀戦略などは共有していました。隊を超えた 10人で構成されたチームは 1月 12日に 4970m のベースキャンプを出発し、C1へ。C1 までのフィックスロープはジョンのチームが設置したものでした。天気が安定していたため、そのまま C2 まで上がっています。C1~C2 までのフィックスはミンマのチームが張ったそうです。
翌 13日に、ミンマとニーマルの張ったフィックスをたどって高度を稼ぎ、C3 を設置しています。
14日はフィックスロープを張る作業となり、7300m までフィックスを張り、7350mまで上がり、風が強かったことより、テントは張らずに、浅いクレバスでビバークして一晩を超えています。
15日は 7800m までフィックスを伸ばし C4 を設置しました。そして、彼らは最終キャンプを 16日の午前 1時に出発し、午後 5時に山頂に立ちました。現在は C3 まで降りており、今日中にベースまで戻るそうです。
登頂した 10名は以下。
- ニーマル・プルジャ(Nirmal Purja/ニーマルチーム)
- ゲルジェ・シェルパ(Gelje Sherpa/ニーマルチーム)
- ミンマ・デイビッド・シェルパ(Mingma David Sherpa/ミンマチーム)
- ミンマ・ギャルジェ・シェルパ(Mingma Gyalje Sherpa/ミンマチーム)
- ソナ・シェルパ(Sona Sherpa/SST)
- ミンマ・テンジ・シェルパ(Mingma Tenzi Sherpa/ニーマルチーム)
- ペム・チリ・シェルパ(Pem Chhiri Sherpa/ニーマルチーム)
- ダワ・テンバ・シェルパ(Dawa Temba Sherpa/ミンマチーム)
- キリ・ペンバ・シェルパ(Kili Pemba Sherpa/ミンマチーム)
- ダワ・テンジン・シェルパ(Dawa Tenjing Sherpa/ミンマチーム)
冬季の K2 へのトライはこれまでに 1980年から 8回トライされており、これまでの最高到達点は2018-2019年のカザフ・キルギス・ロシアチームの 7650m でした。ミンマとジョンは昨年もトライしています。
ミンマはネパールを出発する際に、今回の登山は個人のためではなく、ネパール国家のため、登山の誇りのためとコメントしています。また、「これまで冬季に 8000m峰に登頂した登山者の中にシェルパはいなかった。だから、今回の遠征はシェルパの強さを見せつけるいい機会になる。アルピニスト以外の登山者は、8000m峰に登る夢を叶えるために、全員シェルパの力を借りている。私はこれまでに、多くの海外の登山者が、様々な 8000m峰に登るための手助けをしてきた。8000m峰の冬季初登者にシェルパの名前がないのを知って驚いている。だから、今回の登山は、様々な国の友人やお客さんのおかげで、その能力が広く知られているシェルパコミュニティのための登山になります。」とも話しています。