フランスのテオ・ブラス(10/Théo Blass) がフランス、サン・ギレム・ル・デゼール の岩場で Souvenirs du pic(8c/5.14b) を完登し、5.14b を登った最年少記録を更新しました。これまではアシマ・シライシ(Ashima Shiraishi)、アダム・オンドラ(Adam Ondra)、イリヤ・バクメット-スモレンスキー(Illya Bakhmet-Smolensky) の 11歳でした。
テオが本格的にクライミングを始めたのは 8歳で、トップロープながらも最初の 6b+(5.11a) を登れるようになるまで半年かかっています。しかしながら、そこからが早く、1年半後には 8b(5.13d) を完登しています。
今回登った Souvenirs du pic(5.14b) のバリエーションである、出だしが簡単なライン(5.13d) は昨年の夏に登っており、今年になってから本来の出だしのセクションも数日で解決し、完登に繋げています。
テオの家にはプライベートウォールがあるそうですが、それほど根を詰めたトレーニングはしておらず、マウンテンバイクやスキーなど他のスポーツに興味があるときは、クライミングに対するモチベーションは低いそうです。
今回のロックダウン中も、最初はトレーニングをしていたそうですが、すぐに飽きてしまい、ここ最近 1ヶ月は全くトレーニングはしていなかったそうです。
父親であるウラジーミル・アルナウドフ(Vladimir Arnaoudov) が、子供のクライミングに関して 2点コメントしています。
1点目は、身長が 140cmしかない子供にとってグレードは全く当てにならず、今回テオが苦労した 2箇所の核心は、大人にとっては非常に簡単な箇所だった点。
もう 1点は、子供にとって、クライミングの怖さやイライラする気持ち、登れなかったこともクライミングというゲームの一要素で、課題に一生懸命トライしたり、完登できたりとクライミングのあらゆる瞬間を楽しもうとしていることを認識することが重要だそうです。