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アンゲラ・アイターのLa planta de shiva(5.15b)完登インタビュー

カテゴリー: その他
Angela Eiter / First woman to climb 9b interview(Planet Mountain)
Interview with Austrian climber Angela Eiter after becoming the first female to climb 9b: La planta de shiva at Villanueva del Rosario in Spain.
先日、スペイン、ビジャヌエバ・デル・ロサリオ(Villanueva del Rosario) の岩場で、La Planta de Shiva(5.15b) を完登し、女性として世界初の 5.15b ルートを登った、オーストリアのアンゲラ・アイター(Angela Eiter) のインタビュー。以下超訳。



- アンゲラ、あなたの記録には正直驚かずにはいられない。だけど、いきなり登れたわけではなく、日曜日の完登以前にもトライしてたんでしょう?

はい、トライを始めたのは 2015年の 10月から。実際にその時は 2回トライしただけだけど、このルートは私にばっちりハマっていて、完全に虜になった。私は中間部のリーチーなセクションが、自分のクライミングの理想のスタイルだということがわかった。
- じゃあ、全てのムーブがすぐにできたの?

はい、ムーブだけは全部こなせたけど、通しでやると三箇所以上でリンクできないところがあった。効率的なムーブを見つけるのにかなりのトライが必要だった。アダム・オンドラがトライしている動画はかなり助けになった。だけど、幾つかのコンペチックなムーブは、自分自身のムーブに置き換えて理解しないといけなかった。
- それが 2015年の 10月になるの?

はい、それから 2年間でトータル 7回トライしに行ってる。時にはたった 1週間だけだったり、仕事から離れることができた時は、もっと長い 2週間行ってたりした。今回のツアーの前にこのルートをトライしたのは 5月。
- だから、何年か掛かったの?

トライの時は多くのいらいらする瞬間に悩まされた。この 10月以前には第 2セクションの一番ハードな箇所は全くリンクできなかった。ヤコブ・シューベルトが 2016年の初頭に第 2登した時、人生をかけたトライだったと説明していて、そのコメントは本当に私を脅かしていた。私は選んだルートが正しかったのかどうかに疑問をいだき始めた。だから第 2セクションだけに集中しようと決めた。そこだけでも十分に難しいと思っていた。
- ルートについて少し詳しく説明してもらえる?

"Planta de Shiva" の最初のセクションは 5.14b、その延長バージョンのこのルートは、実際により厳しいセクションになってる。グレードはよくわからない。だけど、これまでに登ったルートよりも何もかもが全然難しい。それだけで十分。もし第 2セクションがもっと難しかったら私には無理だった。
- じゃあ、ほとんど諦めていたの?

トライしているときに、ホールドが 2箇所で欠け、シーケンスを変えなければならなかった。私も指と膝を痛めていたし、不満だらけだったから、自分に呟いたの「残念だけど、この美しいルートを捨てないと駄目かもしれない。」
- だけど?

ある日、私は本当にクライミング、ムーブ一つ一つを本当に楽しむことに決めた。あと、本当にこのルートが登りたかった。だから、完全に怪我が治った 5月にここに戻ってきた。2ピッチ目だけは成功していなかったけど、感覚は良かった。この 10月に第 2セクションが登れた時、突然わかった「これは今こそ本気でトライしないと」と。そして 2日後の 10/22 に地上から完全につなげて登れた。
- あなたはルートのトライをやめようと思っていたとさっき言ってたよね。過去に 3本の 5.14d を登っているけど、あなたは 5.15b にトライしていた。それってかなりの飛躍じゃない、アンゲラ。マーゴ・ヘイズが 2月に登るまでは記録となる 5.15a を選ばずに、なんでこのグレードを選んだの?

実を言うと、あなたの質問にはきちんと答えられない。なぜなら自分でもなんで選んだのかわからないから。わたしは意識して Planta de Shiva を探していたわけではなく、突然出会った感じ。2015年に戻るけど、このルートの最初のセクション、5.14b のパートはすぐにできた。そしてトポを見て、上部について自問自答した。小さなカチが続くラインが見え、これは楽しめるかもと思った。そして夫のバーニーがトライするための勇気をくれた。
- じゃあ、ラインの美しさもモチベーションになってる?

はい、だけど難しさも魅力。当時、私は本当に難しいルートを探していた。これまで以上に多くのものを要求されるルートを。本当に、本当に難しい何かにトライしたいという考えに魅了されていた。
- あなたが 5.15b ルートに取り組んでいる間、マーゴ・ヘイズが 5.15a を登った最初の女性になり、数ヶ月後にアナク・ベルホーベンが続いた。

あれは素晴らしいニュースでした。女性が力強く前進し、障壁を取り除き、限界を上へと押し上げるということは本当に嬉しい。今もそうだし、過去を振り返ったときにもまたインスピレーションを受ける。印象的な女性クライマーがたくさん出てきてる。だから多くの新しいクライマーがいつも衝撃的な記録を達成してる。素晴らしいことです。
- アンゲラ、La Planta de Shiva へのトライは随分と控えめじゃない? 例えば、私たちはトライしていたことについて何も知らない。何かサポートは受けてたの?

はい、特にアダム・オンドラは本当に献身的で、彼からはこのルートを真剣にトライするのにモチベーションをもらえた。「誰が一番良く知ってるかというと彼だ」と思っていた。
- オンドらが登ったのは 2011年、シューベルトがグレードを確認したのは 2016年だよね。

そう。私にとってはそれは本当にいいニュースでした。私はちゃんと実態のあるものに取り組んでいて、クライミングだけに集中できることを意味していました。
- 現実的に、この 10月に登れるチャンスがあると思った?

実を言うと、全くチャンスがあるとは思わなかった。もし正直に言うと、登れると信じていたことをやめたことを認めないといけない。成功するには全てを 100% 正しくやらなければならないとわかっていたし、持てる全てを出しきらないといけないともわかっていた。そして今、 最後のムーブでは本当に限界でした。実際最後のムーブでは落ちそうでした。本当に信じられない。
- 私たちはあなたの声で喜びが聞きたい。なんで登れたと思う?

おそらく何よりも、そのラインに惹き込まれたから。2番目に私のスタイルに合っていたから。単純にスタイルに合ってないから登れていない簡単なルートがたくさんある。だけど、このルートは完璧に自分のスタイルに合っていた。そして、家でのトレーニングが成功の別の鍵。同じ強度のムーブを再現し、ルートに対して特別なトレーニングをしていた。もちろんこれまでのクライミング経験からも色々と引き出している。
- アウトドアだけではなく、インドアも? コンペの経験も役に立った?

はい、確実に役に立ってる。特定のタイミングで、完璧なパフォーマンスを生み出す必要があり、コンペはこの技術を教えてくれた。
- アンゲラ、最後の質問、この 5.15b のプロジェクト、登るまでのプロセスはあなたに何をもたらした?

夫と父親からの無条件のサポートを受けた。彼らの私への信頼なしには決して登れなかった。私のそばには私を安心させ、助けてくれる同行者が必要だった。このレベルのことをするのは本当に個人的で、最終的な成功につながる、揺るぎないサポートが必要で、それをしてくれた本当に重要な 2人には多大な感謝をしている。
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