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ニュージーのメイヤン・スミス・ゴバトのインタビュー

カテゴリー: その他
15255.jpgPhoto by archive Smith-Gobat Mayan Smith-Gobat interview (Planetmountain)
Interview with New Zealand rock climber Mayan Smith-Gobat. Her ascent of Punks in the Gym at Arapiles, the Salathé Wall on El Capitan, the Nose Speed and more...
2011年には女性として 2人目となるヨセミテ・エルキャプのサラテをオールフリーで完登、フリーライダーも 14時間で駆け抜け、昨年はノーズの女性のスピード記録を出したり、エルキャプとハーフドームをワンデイでリンクしたり、世界初の 5.14 ルートとなったオーストラリアの Punks in the Gym を女性として初登したりと、最近大活躍なニュージランドのメイヤン・スミス・ゴバトのインタビュー。
今年は、アメリカ・オレゴンにある、アメリカ初の 5.14c ルートとなったスミスロックの Just Do It とエルキャプ・ノーズのオールフリーが目標だそうです。以下超訳。

- メイヤン、 クライミングを始めた頃のことを教えて
クライミングを始めたのは 15-6歳の頃で、最初の 1年はアルパインクライミングをしていて、ニュージーランド最高峰の Mt.Cook 周辺で登っていた。でも、山の中で天候待ちをしているのに耐えられなかったので、次の年にはスポートクライミングに転向していた。岩の上で動きまわる面白さにすぐにとりこになった。だから、クライミングは岩場で覚えたの。主に、地元の小さなリードの岩場や Mt.Cook周辺、Taupo湖周辺のボルダーで。インドアで登るようになったのは本当に最近になってから。そして学校を卒業してから、スキーにちょっと手を出して、雪を求めて世界を飛び回っていたので、クライミングからは 2年くらい離れていた。で、スキーで怪我をしたので、またクライミングに戻った。21歳の頃にはクライミングは私の人生で一番大事なものになっていた。
- オーストラリアのアラプリーズに行ったのはそれから?
そう。初めての海外ツアーで行った場所なの。完全にハートを鷲掴みにされた。
- 最近登った Punks in the gym は何が魅力だったの?
世界初の 5.14a ルートで、1985年にウォルフガング・ギュリッヒ( Wolfgang Gülich) によって登られ、世界で一番有名なルートってところかな。世界有数のクラシック課題として知られてるし、まだ女性で登った人はいなかったし。
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Punks in the GymPhoto by Rich Crowder
- その前の、ノーズのスピードアッセントの魅力は?
スピードアッセントは、最初はまじめにやろうとは考えていなかった。スピードクライミングに戸惑っていたので、とりあえず女性記録の 12時間を最初は狙っていた。それから、2人の友人が 10時間 40分の記録を出して、半年後には他の女性クライマーも参加して、さらに 20分縮める記録を出した。そういったレースが始まると、時間をロスする障害をなくせば、まだまだ時間は短縮できると思った。だから、本気でやろうと思って、実際にやってるうちに、ビッグウォールクライミングが楽しくなってきたのに気づいた。
- 危険性はどのくらいあるの?
それほど危険ではない。危険性は計算している。シャンテル(Chantel Astorga) とはショートフィックスを使ったけど、二人が同時に動くためには一番効果的な方法。ショートフィックスのリードは、登りながら、クリップして、余ったロープを引き上げて、アンカーに固定して行く。そして、セカンドはリードが次のピッチをリードしている間に、ユマーリングでロープを上がって行く。よく、「死のループ」って言われてるけどね。もし、アンカーの場所に沢山のロープがある状態で、リードが落ちたら、あんまり喜ばしくない状況になる。だけど、この方法だと、少なくともリードのクライマーに何かあっても自分の責任。一方で、もし同時登攀の時にセカンドが落ちたらリードも重大なダメージを受ける。同時登攀は確実に最も早く登れる方法だけど、最も信頼が必要な方法でもあって、2人の登攀能力が同程度じゃないと駄目だし、お互いの能力を完全に信頼している必要がある。数日後にショーン・レアリーと組んで、この方法でノーズを 4時間 29分で完登した。
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The NosePhoto by John Dickey
- 再チャレンジする気はある?
はい。改良すべき箇所はいたるところにあるし、お互いにルートをもっとよく知れば、もっと早くて効率的なムーブでこなせる。切るピッチをもっと小さくして、ピッチの交代ももっと早く出来るし・・・。ノールのスピードアッセントはまだ何回かやりたいと思ってる。とても楽しいし、改良の余地もたくさんある。
- エルキャプを駆け抜けた後に、2人はハーフドームを 24時間以内で継続したよね。これって、世界的な記録になると思うけど、どう評価してるの?
残念だけど、それ程な記録にはならなかった。知ってる限りでは、女子として初めてリンクしたという記録なだけ。 シャンテルと私にとっては重要な記録だけど。実際、ノーズのスピード記録を更新したことの方が重要。
- もっと聞かせて
この結果を出すまでは、ただ単に強くなる以上の努力が必要だった。完全に出しきった時でも、計画を遂行するためには一緒に行動して信頼度を上げ、モチベーションを高める必要があった。次のステップに進むために本当に必要な物は食料と水だと確信したときは悪い夢かと思ったけど、成功の鍵でもあった。休みなしに登っていて、体が疲れ果ててもうやめろと悲鳴を上げてる時でも、長時間動き続けるためには、精神的な忍耐力と判断力も必要なことだった。
- サラテの成功もこの忍耐力と判断力のおかげかな。一人でルートのムーブを探っていた時のことを教えて。また、ショーン・ビルヌーブ(Sean Villanueva) と登った時のことも。
一人でヘッドウォールのムーブを探っていた時間は素晴らしかった。本当に難しかったけど、同時に実りのある時間でもあった。一人での作業は好きだけど、トライするモチベーションを維持するために、助けてくれる人が誰もいないというのは辛いことでもある。最初から、サラテは登れると強く信じていたので、ヘッドウォールのムーブも解析はすぐにできた。ミニトラクションを使って、ヘッドウォール全体のムーブを繋げられ、登れると確信できた時は本当に興奮した。完全に疲れ果て、安心できたので、ヘッドウォールの上にあるロングレッジでヘロヘロになっていたことをまだ覚えてる。ショーンとのフリーアッセントは楽しい時間だった。彼は壁の中では素晴らしい人です。強いし、いつもポジティブで、おいしい果物の詰め合わせのような人で、いつもエンターテナーです。
- いろんなクライミングエリアで素晴らしい記録を残しているけど、駆り立てるものって何?
私のクライミングへのモチベーションはクライミングが持つチャレンジングなものです。面白いムーブだったり、メンタル的な挑戦、前は無理だと思ってたことができたりといったこと。基本的には難しいクライミングが好き。ラインが持つクライミングの美しさも大きいかな。露出感と、壁を登って行く素晴らしさからビッグウォールでのクライミングも好き。立て続けに難しいピッチがあると、クライミングの挑戦的な面も相まってくるから。だけど、純粋にムーブの素晴らしさを追求できるスポートクライミングも好きだし、ボルダーも楽しい。でもだんだん、魅力的なラインに惹かれてハイボールに行っちゃうんだけどね。
- あなたの強さの秘密は何? 精神力? 指の強さ?
両方。傾斜のない壁でのテクニカルなクライミングでは強い指の力が重要だし、決して諦めない負けず嫌いな精神的な強さも必要。あえて言えば、弱点はパワフルでダイナミックなムーブかな。
- 今後の目標は?
ニュージーランドにはそれほどいないと思うけど、ニュージーでも素晴らしいクライミングが出来る。ただ、高難度なものは少ないけどね。この場所では雄大なスケールが重要。怪我をしないで限界を押し上げながら、世界のもっと素晴らしい場所を見てみたい。目標やアイデアはまだまだたくさんあって、パワーがなくて、以前はできなかったことができるように、今はトレーニングに注力してる。2013年の大きな目標は 2つあって、アメリカ・スミスロックにある・Just Do It(5.14c) とエルキャプのノーズをフリーで登ること。

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