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Two Attempts, Two New Routes in Pakistan

カテゴリー: アルパイン
w680-5.jpeg Full Report: Two Attempts, Two New Routes in Pakistan (Alpinist)
Hayden Kennedy and Kyle Dempster capped off a successful season in Pakistan this summer, establishing two routes on two peaks in the Karakoram. They climbed in a 49-hour push on the east face of K7 (6934m) with Slovenian Urban Novak to complete the first in their two-part installment. The duo then roped up with Josh Wharton for a new route on the Ogre I (7285m).
今年の夏に、パキスタンの K7Ogre I に新ルートを開拓したヘイドゥン・ケネディ(Hayden Kennedy)カイル・デンプスター(Kyle Dempster) らのレポートをまとめた記事が Alpinist に掲載されました。Ogre I の記述がメインですが、以下超訳。

ヘイドゥン・ケネディとカイル・デンプスターは、パキスタンで、夏のシーズンを成功で締めくくった。カラコルムの 2つのピークで 2つの新ルートを開拓した。49時間のワンプッシュで K7 の東壁に、スロベニアのアーバン・ノバック(Urban Novak) と最初の一本を確立し、その後、2人はジョシュ・ワートン(Josh Wharton) とロープを結んで、Ogre I に新ルートから登った。
K7 East Face marked copy_201210893340.jpg
K7 東壁の取付で一晩を過ごした彼らは、7/17 の 23時にクライミングをスタート、前回、2011年に到達した高度には数時間で達した。朝日がルートに当たり始めた頃、クライミングはより難しいものになってきていた。
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7/18 の午後遅くになると、「コンディションは最悪。疲れてるし、寒いし、雪は顔に降り続けている。ルートの先の状態はよくわからないし、この窮地から脱出する方法に付いて話し合った。アーバンは『だけど、俺たちはこのルートがこんなだろうという事がわかってて来たんだし、続けるしかないだろう。』と言った。アーバンの言葉によって悲惨な状況をきちんと把握できるようになったと思う。結局 K7 を選んだのは俺たちなんだし。」とカイルは書いている。
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22時間後、テクニカルなミックスのセクションをいくつか通過し、氷のレッジで数時間のビバーク。2つの寝袋と1枚のマットをシェアして寝た。疲れ果てていたけど、翌朝は、早い時間帯から動き始めた。
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「簡単なアイスセクションはほとんど作業だった」とヘイドゥンは後から書いている。「ザックは重く感じられたけど、足は登り続けていた。」と。
濃いホワイトアウトの中で、チームは頂上直下の最後の雪稜で高度を稼いでいた。決して理想的なコンディションではなかったけど、アーバンは最後の 200m の腐った雪の中をゆっくり進んでいた。ヘイドゥンはアーバンの最後の頑張りをこう記述している「あんな頑張りはこれまで見た事無い」。チームはそれからすぐに山頂に立った。
「過去のクライマー達は K7 の山頂を何らかの救いを得るために登っている。私たちにとって山頂はちょっと拍子抜けに感じたし、単に 10時間にも及ぶ懸垂下降を始める場所にしかすぎなかった。」とカイルとヘイドゥンはスカルドに下山してから書いている。「K7 を登るプロセスこそが我々の充実感を見つけられた場所だったし、スロベニアの友人と彼の思慮深い知恵が色々とわかってきて、特別なクライミングだった。」
K7 に新ルートを確立してから、カイルとヘイドゥンはアーバンとは別れ、チョクトイ(Choktoi) 氷河で、別の友人、ジョシュ・ワートンと合流した。そしてすぐに、彼らは Ogre I の南壁の登頂に成功する。
8/19、夜中を過ぎた頃、チームはチョクトイ氷河から数千メートル上がった場所で 60度の雪とアイスの入り交じった壁を登っていた。「キック、パンチ、深呼吸、キック、パンチ、深呼吸。非常にシンプルな事が何でこんなに苦痛に感じるんだ? 瞑想して考える必要がある」とカイルはじっくり考えていた。チームはヘッドランプの明かりの元、足下に高度感を感じるようになるまで、同時登攀を何時間も続けていた。
w680.jpegPhoto by Kyle Dempster
昼までに、彼らは中空に押し出された、目立ったセラックの箇所に到達した。この安全な場所から、彼らは「セラックから押し出された雪田を横切る長いトラバース」を始める。このトラバースが、このルートを完登に導くキーポイントだったとしている。しかしながら、ヘイドゥンが 55m のトラバースを始めたとき、岩質はかなり悪い状態だった。「そのピッチの岩場はカナディアンロッキーの dream stone のような悪さだった」とカイルは言っている。
ヘイドゥンは、足下から崩れそうなレッジに時々現れる細かいブロック状の場所を、ためらいがちに登り続けていた。ビレイをしながらジョシュはカイルに言っている「もし、彼がこの状況から逃げ出したとしても、全く不思議ではない」。
w680-1.jpegPhoto by Kyle Dempster
数時間後、彼ら 3人は、ぼろぼろの岩のセクションを無事に通過した。ロープをつけたまま、急な雪のセクションを登ると、オーバーハングした、花崗岩のヘッドウォールの基部にで、そこで彼らはテントを張るのに素晴らしいビバークポイントを見つけたので、翌日に備えて、そこで寝た。
翌朝、ストレッチをし、珈琲を入れてギアを集めた。その日は 6500m から始まり、カイルとヘイドゥンが「何箇所かトリッキーなムーブがあるミックスセクション」を交代でリードした。岩質は良くなってきていたが、不安定な雪が混じるようになり、傾斜も急になって来て、プアプロがちな状況だった。
w680-2.jpegPhoto by Kyle Dempster
時間はあっという間に過ぎて行き、6800m 付近の小さな雪田でビバークした。その夜中、ジョシュは一人で奮闘していた。顔はふくれあがり、精一杯の呼吸をしていた。彼は一晩中、咳込んでおり、時々血が混じった唾を吐いていた。脳浮腫の影響を受けているのは明らかだった。その夜の天気は荒れており、チームメンバーの健康状態が悪化する状況に面し、彼らは重要な決定を下す分岐点にいた。
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カイルとヘイドゥンは最終的に、彼らが山頂アタックに行ってるしばらくの間、ジョシュをテントに残して行く事に決め、最後の 350m のクライミングに出発した。山頂までの最終セクションのクライミングは「ルート全体で最も楽しめた」場所だった。カイルとヘイドゥンは赤い花崗岩の凹状ラインを交代でリードし、山頂雪田直下の蛇腹状のミックスセクションのリッジに入って行った。山頂直下の深く、急な雪田はカイルがリードしたが、かなりの時間を食った。
w680-3.jpegPhoto by Kyle Dempster
今回のクライミングを振り返ったカイルの記述は「たぶん、ヘイドゥンと私は頂上に目がくらんでいた。ジョシュが『行け』と言ったことからの馬鹿な決断だった。私たち 3人は、『山の中では 3人一緒にいる』という信条を捨て去っており、下した決断も考え抜かれたレベルに値するものだった。だけど、山の中では、一緒に冒険しようと選んだ仲間といる時は、自分達自身や、周りの環境について、感じたことを話し合い、常に認識していないといけない。もし、ジョシュが『降りる必要がある』と言っていたなら、ヘイドゥンと私はそうしただろう。もし、ヘイドゥンか私が、ジョシュを一人残すのがいいアイデアではないと強く感じたり、上部が非常に危険な状態だと思ったら、やっぱり降りていただろう。もし、私たちの誰かが、現在の状況に対して、違った思いを持っていたら、私たちが取ったような決定はしなかっただろう。山の中では同じような状況はまずありえないし、どんな決定も一度きりだ。だから、今回、私たち 3人が下した結論は適切だったと感じている。」
w680-4.jpegPhoto by Kyle Dempster

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