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摩耗したカラビナの危険性

カテゴリー: 山道具
ropes_handling_note_01_Karabiner-breit.jpg Urgent warning about permanently installed quick draws and carabiners in climbing areas (Mammut)
Mammut is urgently calling for the immediate discontinuation of use and removal of permanently installed quick draws and carabiners in climbing areas.
今年の 9月、スイスの岩場で、残置されていたクイックドローにテンションを掛けた際、クイックドローのカラビナが摩耗していたため、ロープが切断され、クライマーが墜死するという事故がありました。その結果も含めて、摩耗したカラビナの危険性に関する案内がマムートの Web に掲載されました。

以下超訳してみましたが、原文の英語がおかしいのに加え、調べたところ、どうやらオリジナルはドイツ語のようで、そちらのドイツ語を英語に自動翻訳したモノと併せての超訳になっています。

マムートは、岩場に残置されてるクイックドローとカラビナの、早急な使用中止と撤去を呼びかけてます。カラビナの製造メーカーに関わらず、度重なる使用が、カラビナに鋭いエッジを作る結果となり、少しのフォールでもロープに深刻なダメージを与える可能性があります。マムートの調査結果は、この既知の問題が、以前の予想よりも深刻で、クライマーにとって危険性が高いことを示しています。
近年、傾斜の強い岩場では、クイックドローが残置されるのは当たり前になってきました。ロープは手軽にクリップできる反面、クイックドローを外すのを難しくしています。
クイックドローの位置にもよりますが、クライマーが降りる際に、ロープとの摩擦で、カラビナは非常に鋭角に摩耗します。(写真を参照)。特に影響を受けるのは以下の場所です。
  • 最初のクイックドロー。(ロワーダウンの際、ビレイヤーが壁から離れるため)
  • ルーフや被った箇所の直下のクイックドロー
  • ラインが横に曲がる手前のクイックドロー
ロープが汚れていたり、砂がついている場合は摩耗を助長します。カラビナの摩耗して極端に鋭角な箇所は、クライマーのフォールによって、元に戻ることはなく、カラビナの反対側の面が使われることもほとんどありません。つまり、丸く削られることはなく、どんどん鋭角になります。カラビナの断面が T字型の方が、丸型のカラビナよりも鋭角になる傾向があります。
マムートの実験施設で、写真のような鋭角なカラビナでテストをした結果、80kg の物体が 2.7m の高さから落下係数 1 で落ちた場合、9.5mm のロープは致命的なダメージを受けたことがわかりました。実際に、以前の調査でも、摩擦による衝撃は計算上の数値よりも大きいことがわかっています。だから、例え 1m 以内のフォールでも、鋭角に摩耗したカラビナでは、ロープに致命的なダメージを与えます。ちょっとしたフォールでもロープが切れたという重大な結果に繋がったケースが数例あります。最近、この調査の可能性を示すような、致命的な事故がスイスで起きました。
ropes_handling_note_01_Grafik-breit_02.png
マムートは、カラビナの鋭角な箇所がロープの径と関係あるかどうかの調査もしました。グラフが示すように、明確な関係がわかりました。太いロープほど、鋭い角に対してより安全マージンがあります。しかしながら 10mm径のロープでも致命的なダメージがあると共に、生命を脅かす危険性があります。ダブルロープ(両方ともクリップされている) の方がより安全マージンは高くなります。ロープが古い(表面が毛羽立っている) か、新しいかでは余り大きな違いはありませんでした。
終了点のカラビナも鋭角に摩耗しますが、この場合、ロープはより急な角度で擦れるため、丸く削られる結果となり、エッジはそれほど極端な鋭角にはなりません。しかしながら、そういったカラビナも、負荷に十分に耐える強度がなければ致命的な結果に繋がります。
クライミングジムでは、一般的にスチール製のカラビナが使われており、摩耗はそれほど早くありませんし、定期的に点検されています。しかし、マムートは、似た状況にならないかどうかに注意を払うことを強く推奨します。摩耗したカラビナは使わず、見つけた場合はすぐにクライミングジムのスタッフに報告して下さい。
岩場のルートに残置してある器材は通常の整備やチェックを受けていません。一般的に、スリングの劣化や腐食などのチェックは必要です。そういった、劣化した器材を使うのは避けるのがベストです。

日本ではクイックドローが残置されている岩場は皆無だと思われますが、ルート終了点の残置ビナや、傾斜が強いルートの途中にある回収ビナには注意が必要です。また、長く使っているビレイ器も摩耗により鋭角状になることがあります。
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