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ダニエル・ウッズ インタビュー(2012の目標)

カテゴリー: その他
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Daniel has been one of the leading boulderers in the world since 2006 when he was 17 year old. Totally he has done 12 boulders 8C and harder out of which five in 2011. He has entered eleven Boulder World Cups being Top-5 in six of them. As a sport climber he has done two 9a's and one 9a+. Most of this interview was done during 15 minutes on-line chatting on Facebook!
1月に行なわれたダニエル・ウッズのインタビュー。今年の目標やトレーニング、グレードなどについて語っています。以下超訳。

- 今年の春と 2012年の予定は?
今年の春は、自宅のコロラド・ボルダーから離れて活動する予定。3月にはスポートクライミングをしたいんだ。ユタの南部やレッド・リバー・ゴージュ、ニュー・リバー・ゴージュ、スミスロックやコロラドのマイナーエリアを回る予定。一応ボルダーもやるけど、メインはスポートクライミング。で、夏はポール・ロビンソン、コートニー・サンダース(妻)、アレックス・カーン(ポールの彼女) とアフリカに行く予定。
- ワールドカップは?
少しは参戦するかも知れない。でも、外で岩を登ってる方が楽しいし、ワールドカップ全戦に参戦するのは大変なのはわかってるから、コンペは ABS nationals と日本のノースフェイスカップ、UBCシリーズに参戦予定。ワールドカップに参戦するかどうかは、それらの結果によるかな。でも 2-3戦に参加するだけで、全戦に出ることは無いと思う。
10_634639633077741134_316082_238651606170342_131164916919012_618281_4836177_n.jpg(c) Heiko Wilhelm
- トレーニングはどう?
今年はボルダー、スポート、コンペをやる予定だけど、3つに共通していることは「ムーブ」かな。必要なのはモチベーション。目標はオールラウンドクライマーになること。目標達成までには色々と失敗もあるだろうけど(犠牲もたくさん)、失敗を克服して、クライマーとして成長するために、より多くのモチベーションが得られる。ボルダラーとしての強さを失うという犠牲も伴うだろうけどね。
- トレーニングは、ただ登ってるだけ? それとも計画的にやってるの?
疲れたと感じたときは休んだ方が、強さを得るためにはいいということがわかった。最初に2時間トレーニングをして、登れなくなってきたら、トレーニングを余分にやっても意味が無い。去年、かなり登りこんで、より強くなろうとしたんだけど、クライミングが趣味というより、しなければいけない作業に感じられた。

自分のトレーニングは、最後はキャンパシングで締める、3時間のパワーセッションで構成している。肉体的には強くなったけど、精神的にはまだ弱い。クライミングでの精神面の強さは、肉体的な強さよりも重要。だから、ただボルダーをやるだけではなく、色んなタイプのクライミングをやることによって、精神面を成長させたい。視野が狭くなってるので、色んな事をやろうとすると難しくなるんだよね。
- どうやって最大筋力を増やしてるの?
最大筋力を増やすために、週に3日、2時間のパワーセッションに集中している。セッションの中では 10個のボルダー課題を選び、5個は 8A、残りの 5個は 8A+ ~ 8B+ くらいの課題(全て、以前に登ったことがある課題。2つくらいは登れてなくてもいい) を選び、2時間の中で登り切るようにしている。このやり方で、最大筋力と耐久力を鍛えられる。最初に一番難しい 2課題をやり、その次に簡単な 2課題といった感じで、この跳躍プロセスを繰り返してやる。このセッションの終わりまでに、1つの 8B+、2つの 8B、2つの 8A+、5つの 8A を終わらせてる。同じパターンを、課題のレベルに合わせて設定することができる。

一番良いトレーニングのコツは、自分の弱点を見つけるか、友達から教えて貰うことだよ。弱点がわかれば、弱点に合わせた課題を作れる(誰かにセットして貰える) からね。セッションの最後まできちんとトレーニングをすること。クライミングで成長する良い方法は登ることと他人を見て勉強することだよ。
- 春にスポートクライミングをしようとしてるのは何で?
スポートクライミングに関しては初心者なので、あらゆるグレードの経験をしたいと思ってる。簡単なグレードのクライミングも高難度のクライミングと同じくらい重要。長いのから短いのまで、どっかぶりからスラブまであらゆるスタイルのラインを登りたい。ボルダリングに関しても同じような心構えでやってるので、それをスポートクライミングにも適応するつもり。自分のオンサイト能力も、レッドポイント能力に加えて伸ばしていきたい。予定ではレッドポイントするための高難度ルートを選んでトレーニングをし、そこから2グレードくらい下のルートをオンサイトトライしたい。このやり方で、レッドポイントとオンサイトの2つの目標を達成できると思う。自分にとって、オンサイトはレッドポイントと同じくらい重要。
10_634639632976652486_308213_271531219537943_126397367384663_1008049_1457816282_n.jpg(c) Woodsfamilyclimb.com
- グレードのインフレに関してはどう思う?
トップクライマーが言ってる、「グレードは重要ではない」という発言は嘘だよ。僕たちを「上手くなりたい」と駆り立ててるモノは、進化していることを確認することで、進化を計るモノが無ければ、一生懸命努力しても無駄になる。グレードが唯一の指標になるのは問題だけど、進歩する上では重要な役割を果たしており、クライミングが持つ、旅行したり、新しい出会いがあったり、個人のレベルを押し上げる点も、楽しいスポーツの要素として重要。

グレードのインフレに関しては、デイブ・グラハムが良い仕事をしていた。幾つかのボルダーは主に、スポンサー的な理由でグレードを上げられていた。岩質の違いや課題の性格など、これまでの経験に基づいて、僕は個人的なグレードも楽しんで付けている。岩の質感が違うから、自分にとって、同じ8B+の課題でも、砂岩の方が花崗岩よりも難しい。花崗岩の岩質は、岩がより指先に食い込む感じで、掛かりが良い。砂岩のスタイルは、花崗岩に比べて、リーチーな傾向がある。これは僕の個人的な経験から来てるんだけど、みんなは明らかに違う意見を持ってる。もし、身長2mの人で、腕を広げた長さが220cmもあり、フルスパンのホールドを使って課題を設定すれば、世界最難のボルダーになる。(僕の身長は 170cm で、腕を広げた長さは 180cm)
- フラッシュトライの前に、ホールドを触るのは OK?
フラッシュトライの前に、ホールドを触るのは OKだと思ってる。フラッシュは基本的に、できる限りのムーブの情報を得てやる、ルートやボルダーの最初のトライのこと。ホールドを触ったり、動画を見たり、写真を見たり、登りながらムーブを教えて貰ってもいいと思う。駄目なのは、地面から足が離れて、ホールドに体重をかけること。自分の考えでは、足が地面から離れたら、それは最初のトライになる。

オンサイトはまた違ったゲーム。オンサイトはもっと純粋。これは、クライマーが動画や写真などからルートに関する情報を一切持っていないと言うこと。また、フラッシュとは違って、クライマーはトライの前には一切ホールドに触っては駄目。また、オンサイトのために、懸垂下降してホールを見たり、ゴミを落としたりするのも駄目。全てはグランドアップで行なわれるべき。オンサイトの目的は終了点まで、クライマー自身の自由なスタイルで登る行為。この点が、オンサイトでのクライミングを特別なモノにしている。フラッシュとオンサイトは根本的に違うモノだけど、最初のトライは非常に印象的だという共通点がある。

自分にとってのクライミングスタイルは、何度もトライすることを規制すること。覚えないといけないホールドや質感、ムーブなんかはたくさんある。ムーブに違いがあっても、オンサイトやフラッシュトライの前にわかってることは、多くのムーブやホールドは似てると言うこと。クライミングに関して多くの引き出しを持つには、色んなタイプの岩場で登ったり、様々なムーブを覚えたりと、何年もクライミングをする必要がある。いったん、この引き出しを持てれば、すぐにぴんと来て、レッドポイントも早いし、オンサイトもできるようになる。一度、レッドポイントできたレベルならオンサイトできるだろうし、それより下のグレードなら肉体的にも精神的な準備も十分だ。レッドポイントのレベルをオンサイトやフラッシュできたら、それは特別なこと。そのルートが体に完璧に合っていて、好みのスタイルだということ。5手~10手のルーフ課題のフラッシュやオンサイトトライの時は気合いを入れて頑張るけど、傾斜のないクライミングでは、フラッシュをするのはかなり厳しいと思ってる(ムーブを探る作業が必要)。

正直なところ、ボルダリングよりもスポートクライミングでのオンサイトの方が大変。ボルダリングでは、アクセスしやすいこともあって、ホールドに触りたくなってしまう。
- 背の高いクライマーと同じホールドでスタートするためにクラッシュパッドを積むのはあり?
「初登者と同じようにスタートするべき」と言ったことがある。もし、再登を狙ってるクライマーが極端に背が低かったら、初登者と同じホールドからスタートするためにパッドを積むのはありだと思う。だけど、核心を回避するためだったり、もっと楽に登るためだったら、それはもう別のムーブになるので駄目。初登者と同じ状況を作るためかどうかはクライマーによるかな。
- 限定ルートやバリエーションは?
ボルダリング自体が作為的。僕は自分たちの体ができうる限界のムーブを探ったり、ボルダーを登るための難しい設定を作ったりする。明らかに裏から簡単に歩いて上がれたり、もっと簡単に登れる道があっても、それはボルダリングの目的ではない。ボルダリングはもっとジムナスティック(短く、アクロバチックでパワフル)。僕はクライミングを楽しむために多くの限定課題を作ってるし、クライミングはこういった芸術的な自由が許される。もし、その課題が限定課題だと考えられるなら、トポに書くべきだよ。

登れる可能性があり、十分に特徴があるラインからは色々とイメージが湧く。誰でも、やりたい方法でラインを引ける。スタートと最終ホールドは初登者と同じようにすることだけを考えてる。クライミングは何でも自由なことができるゲーム。全てのクライマーがトップアウトするまで、同じスタンスとホールドを使うようなラインはまれ。もし、そんなボルダーを見つけたら、それは芸術のなせる技。

トレーニングのために限定したりするけど、奇麗な色の岩で純粋にハードな課題を登ったり、作為的ではない独特なムーブの課題を登れると非常に嬉しい。


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