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ジェリー・モファット インタビュー

カテゴリー: その他
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2009年に自伝を出した、イギリスの伝説的クライマー、ジェリー・モファット(Jerry Moffatt) へのインタビュー。かなり愚直で飛んでます。以下超訳。



- 何でクライミングを始めたの?
15歳の時に学校で始めたんだけど、クライミングクラブがあって、周りの友達がみんなクライミングをやってたから。
- どうして強くなろうと思ったの?
いつも親友と登ってたんだけど、普通に友達より上手くなりたいと思った、そしたらすぐにみんなより上手くなった。そして次はウェールズで一番になろうと思い、一番になった。次はイギリスの16歳以下で一番になろうと思い、「俺たちはイギリスの16歳以下では一番だぜ」と言っていた。

あなたが17歳、18歳と年を取って、イギリスで一番のクライマーになりたいと思ったら、そう思えば上手くなれる。それは世界で一番になりたいと思っても同じこと。でも、段階を上がるにつれて考えたことであって、クライミングを始めてすぐに「世界で一番になりたい」と思ったわけではないよ。
- モチベーションは?
良い結果が出れば、モチベーションも簡単に湧くでしょ。もし、トレーニングをしても改善が見られなければ、すぐにやる気がなくなってしまう。もし、すぐに結果が出れば、モチベーションもすぐに上がる。
- クライミングから学んだことは?
面白い人とたくさん出会えたことかな。旅の楽しみ方を教えてもらえた。あとは、怪我をしたり、物事がうまくいかなかったり、落ち込んだりしたときには、余り気にせず、幸せになろうとすることかな。成功したり、ハードルートにトライすることが全てではなく、それ以外の時間もたくさんあるんだよということ。
- クライミングを始めた頃と今の "クライミング" は違う?
うん、クライミングを始めた頃は誰もチョークを使っていなかったし、人工壁も無かった。最初は大きめの革製の登山靴で登ってた。今の人は最初からちゃんとしたクライミングシューズを持ってるし、チョークもある。より安全になった。始めた頃はボルトルートも無かったし、色々と大きく変わった。
- クライミングのリスクについてはどう思う?
クライミングを始めた頃は、トラッドルートのみで、ボルトルートは無かったから結構危険だった。でも今は、ボルトルートを登るか、トラッドルートを登るか、インドアで人工壁を登るかといった選択肢がある。自分の頃は、ボルトルートと人工壁は無かった。選択の余地が無く危険だった。より安全になって、登るためのハードルが下がって、昔より良くなった。
- 不安や怖さは?
大好き。ただ一つ言えることは、完全にはまってた。危険なことをすることに長い間 夢中になっていた。オートバイで前回のスピードで壁に行って、ハードルートをフリーソロして、また、全速力で家に帰るということをよくやっていた。常に危険なことをしていたかった。バイクで事故るなんてことは考えたこともなかったから、バイクもクライミングも常に全力だったし、長い間続けていた。まだまだドキドキすることが好きだけど、今はもう無理かな。ちょっと怖い。
- お金はどうしてたの?
クライミングを始めた頃は週 15ポンド(16ユーロ) しか稼げなかった。定職に就いていたわけじゃないし、お金に縛られないで生きたかったから。節約しようとして、1日 1ユーロで生活しようと思っていた。米を買って、煮込んで食べてた。あとはジャンクフード。80年代の半ばからスポンサードされるようになって、いくらかお金を稼げるようになった。本当はお金を稼ぎたいわけではなく、働かないで毎日クライミングに行きたかっただけ。だから、就職しようと思ったことはないし、誰かがスポンサードしてくれる時でさえも、クライミングに行きたいと思っていた。クライミングはいつでも楽しい。
- いつも小さい岩場で登ってるけど、探検に行ったりビッグウォールで登りたくはないの?
19歳の時に親友とシャモニに行ったんだけど、行く前に「死ぬかもね」なんて冗談を言ってたら、初日に彼が雪崩に遭って死んでしまった。だから、19歳の時に、悪天候下ではリスクを取らないと明確に決めた。もし自分が死んだら、それは自分のミスによるもので、悪天によるものではないと思う。だから、遠征に行きたいと思っても、それは危険すぎるからと、自分の明確な意志でやめると思う。
- 何か伝えたいことは?
人にモチベーションをあげたい。旅に行きたいと思わせたい。クライミングは楽しいから、新しいスポーツとしてトライさせたい。外に出て欲しい。「外へ行ってベストを尽くせ」と言いたいのではなく、「家を出て、旅に出、できる範囲でいいから、クライミングをしてみろ」と言いたい。
- この本は読んだ方がいい?
できればみんなを刺激したい。この本を読んでくれた何人かは、外へ行って、クライミングがしたくなったと言ってくれた。すでに十分な貯金はあるので、この本で金儲けをしたいわけではない。だからたくさん売れなくても気にはしないけど、この本を読んでくれた人、時間を使ってくれた人が、「楽しめた」と言ってくれることを聞くのが好きなんだと思う。読者からは本当に楽しめたという反応があって嬉しかった。
自分にとっては、要領よく一番になることよりも、一番になることそのものの方が大事。非常に効率的な方法もあるとは思うけど、どう見えるかは問題ではない。簡単にできることに取り組み、楽に登っていく人よりも、迷いながらも、こつこつと大変なことをしようとしてる人に会いたい。全てのムーブで落ちそうになっても、それでもトップを目指している人に会いたいと思う。





videointervista JERRY MOFFATT