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アレックス・オノルド、インタビュー(フリーソロ)

カテゴリー: その他
9240.jpgAlex Honnold solo flashing Heaven Photo by Mason Earle Alex Honnold, the Yosemite Heaven and Cosmic Debris solo interview (Planetmountain)
Interview with American climber Alex Honnold after his recent solo ascents of Heaven, Alien and Cosmic Debris in Yosemite, USA
今年の 9月にヨセミテで、Alien(5.12a)Cosmic Debris(5.13b)Heaven(5.12d) を立て続けにフリーソロ(Cosmic Debris と Heaven は同じ日に、しかも Heaven はフラッシュで) したアレックス・オノルド(Alex Honnold) のインタビュー。以下超訳。

- どうして Cosmic Debris をフリーソロしようと思ったの?
正直、Cosmic はそれほどいいラインではない。露出感もあんまりないし、きれいなラインでもない。ただ、自分のフリーソロしたいリストの中に残ってたし、ショートピッチではヨセミテでは難しいラインの一本だったから。トポのグレード通りだと、ヨセミテでは最難グレードのフリーソロの記録になるんだけど、指が太い自分にとっては楽だった。本当に簡単で、Phoenix(5.13a) よりも簡単だった。
- 前にトライしたことあるの?
うん、最初に登ったのは数年前。今シーズンはムーブの確認のためにロープソロで登った。
- Heaven の方は初めて登ったの?
以前には、フラッシュでフリーソロをしたことはないんだけど、ルートについて考えてるうちに、そのスタイルを思いついたら、興奮してきちゃったんだ。以前に思いついたアイデアの一つでもあって、頭の中から振り払うことができなかった。フラッシュでやろうと思ったら、やらずにはいられなくなった。
- 実際のクライミングはどうだったの?
よかった。パートナーの Mason Earle から核心については聞いてたからね。全体としても 5分もかからなかった。たぶん 2分以下。ルートはせいぜい 12m 程度で、傾斜はあるけど短いから。
- 「絶対にフリーソロはやりたくない」っていうルートはある?
特には考えてないけど、すぐにはできないルートは幾つかあるよ。でも 5.13b で魅力的なルートがあれば、「5.13bよりも難しいフリーソロはやらない」と言うつもりはない。だけど、絶対にフリーソロをしたくない 5.11b のルートもたくさんある。全然そそられなかったり、イマイチだったり、理由は色々。本当にルートによるかな。
- これまでのフリーソロで一番難しかったのは?
簡単には言えないんだよね。ハイボールとフリーソロを区別するのが難しいから。ビショップのバターミルクにあるボルダー課題である Ambrosia(十数メートルあるハイボール課題) がこれまでにやった一番印象的な "フリーソロ" かな。落ちた時の結果が同じようになったとしても、本当はフリーソロだとは思わないけどね。まぁ、ハーフドームのフリーソロが一番大変だったかな。露出感もあったし、登る上での不確定要素も結構あったからね。
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- フリーソロの最中の気分ってどんな感じ?
明確には覚えていない。いつも完全に没頭しちゃうし、集中してる。ただ冷静になることだけ考えてる。
- トラッドとスポートどっちが得るものは大きい?
トラッドの方が、スポートよりもやることが多い。大変な方が達成感は強いから、トラッドの方がちょっとだけ満足感は大きいかな。だから、スポートルートでも大変だったら、満足感は同じだと思う。本当はスタイルで分けるのは好きじゃないし、壁には 2つの登り方があるというだけ。
- ルートの開拓は重要?
うん、スポートクライミングでは非常に重要。登るルートはたくさんあったほうがいいからね。でも個人的には新ルートの開拓にはあんまり興味はない。時々初登もしてるけど、開拓するのが好きな人がやってるように、常に探し回っているわけではない。何でかわからないけど、壁に新しいラインを引きたいと思ったことはほとんどない。
- アルピニズムについてはどう思う?
歳を取ったらもっと大きな山に行くかもしれない。だけど今は興味はない。普通のロッククライミングから長期間離れるような遠征には行きたくない。岩場で登ってる日々が好きで、大きな壁を登るために、ベースキャンプで何週間も座って待ってるような無駄な時間を過ごしたいとは思わない。でも、いつの日かトライしてみるかもね。
- アレックスはプロクライマーだと思うけど、プロクライマーって何?
基本的には「毎日クライミングに行くこと」だと思う。実際、プロクライマーとしての仕事をしつつ、クライミング廃人のような自分を説明するには一番いい説明だと思ってる。毎日クライミングには行ってるけど、たくさんのEメールには返事を書かないといけないし、時々ルート上で撮影用のポーズを取ったりもする。講演会のためにあちこちに飛んでいくこともある。結構今はそっちに時間を取られてるけど、少なくとも生計を立てるためにも、いつも登っていたい。
- いつも成功の報告を聞いてるけど、引き返したことは?
もちろんあるよ。色んな理由で何回も戻ってる。岩の状態が悪かったり、ルートを間違えたと思ったり、天候が悪かったり。登りたくないことも時々ある。何年か前、ヨセミテで 5.8 のマルチピッチのスラブルートをフリーソロでオンサイトトライしたんだけど、ぜんぜん気分が乗らなくて、荷物をまとめて降りたことがある。その時はヒッチハイクしてヨセミテを出た。
- クライミングで最も良かった思い出は?
実際の所、あんまり特別なことはない。時々、親友とクライミングに行って幸せを感じることはあるけどね。実際、2日前がそんな感じだった。ヨセミテ郊外の Tuolumne Meadows でスポートクライミングをしてきたんだけど、自分たち 2人以外には誰もいなくて、秋の爽やかな天候の元で、美しい景色を堪能できた。そんな日をたくさん過ごせるといいな。そんなときに、自分はクライミングライフの全てが本当に好きなんだということを思い出すんだ。

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