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ダニエル・ウッズ インタビュー

カテゴリー: その他
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Photo by Andrew Kornylak
Daniel Woods Interview: World Cup Competition, European Trip and More (The Bouldering Book)
I recently had the opportunity to sit down with Daniel Woods before his departure for the World Cup circuit in Europe including stops at Eindhoven, Barcelona and Sheffield.

ダニエル・ウッズへ、ボルダリングワールドカップについてのロングインタビュー。USの選手がなぜ弱いのかについて、ヨーロッパの選手や WC への取り組み方の違いについてかなり詳細にコメントしています。ざっくりと概要をまとめてみました。

US と EU のチームの違い

トレーニングとスタッフの数が違う。EU は各国のクライミング協会がコーチや療法士のスタッフを付けてクライマーをサポートしており、ワールドカップが始まる 1ヶ月前から同じ場所に集まってミーティングやトレーニングを行なっている。US でも似たようなことをやっているが、協会はサポートしてないし、ちゃんとしたデータも無い。

オフシーズン

EU はオフシーズンも、外岩でもワールドカップに合わせたトレーニングをしている。色々と情報を仕入れ、コンペ前よりもハードなトレーニング。US もきちんとした計画を立てて、テクニックや精神面を鍛える、ボリュームのあるトレーニングをやるべき。何も考えずに漠然と登っている状態。ジムに行って 2時間登って、家に帰ってファーストフードを食べて寝ての繰り返しでは駄目。特別なトレーニングが必要。1日 6時間登り、2日レストして、その間はダイエットして、療法士にヘルプしてもらって体にも気を遣う。オフシーズンもきちんとやる。

ワールドカップのルートに関して

ワールドカップのルートは US のセッターが作るような気持ちの良いルートではない。ピンチからピンチにランジしたり、簡単にムーブが読めるような単純なルートはない。ワールドカップに出ている選手は世界最強なので、それでは意味が無い。持ち方を考えないといけないクリンプホールドが連続したり、最後のホールドですら考えないとマッチできないほど微妙だったりする。ヒールやトゥーをテクニカルに使う、外岩に似た静的ムーブの多いルート。

ルートセッター

ヨーロッパのメインのルートセッターは 2人。フランスの Jacky Godoffe と Tonde Katiyo。フランスチームは Jacky がセットしたルートで練習している。Tonde はヨーロッパのメジャーなジムでワールドカップにあったセットをしている。一方 US のジムでは、商業的なセットであってワールドカップ向けのセットではない。USでも Chris Danielson のような、ワールドカップのセッターが各地のジムをツアーしてセットするべき。

ジムの違い

US のジムは傾斜が多様だけど、余り汎用性がない。もっとワールドカップの壁のように、シンプルな合板で無数のホールドとハリボテを付けて、様々な課題に対応できるようにした方が良い。US は課題の種類と量が足りない。

ワールドカップの課題の傾向が分かる人

女性だと去年から参戦しているアレックス・ジョンソンと、今年から参戦したアレックス・プッチョしかいない。男子だとクリス・シャーマとイーサン・プリングルくらい。EU では各国のクライミング協会が宿泊や移動にかかる費用など全てを負担している。US のクライマーがワールドカップに多く参戦できない理由はコスト。

ヨーロッパのスタイルは続く?

たぶん。テクニカルの意味が US と EU で違う。US でのテクニカルは足使い、ルーフで 360度回ったり、バランシーなスラブ。EU ではハリボテを巧く使えるかどうか。ヨーロッパのスタイルは定着しているので、US も今後は少しづつセットが変わってきて、ワールドカップでも両方のスタイルが出てくるのでは。

ワールドカップを目指す若いクライマーへ

まず、ワールドカップの動画を見ること。自分は動画を見て、選手の動きから傾向を見た。最初の 2年はとにかく全戦に参戦して、ワールドカップの傾向を知って、経験を増やす。勝てないだろうけど、修正していけば、今後の勝利に繋がる。

今後の予定は?

ヨーロッパに行って春の宿題を片付ける。スイス・Ticino の Story of Two Worlds とイタリア・Varazze の Gioia。その後はロープを付けてスポートクライミング。

何でスポートクライミング?

ボルダリングに飽きたので、新しいことをやりたい。9a~9b の課題を登りたい。持久力と精神力を付けたい。

アダム・オンドラってどう?

彼はもう別の次元。彼はクライミングを寵愛している。ボルダリング、コンペ、ビッグウォール、スポートクライミングなど全部。彼は全てのクライミングをやりたがってる。アダムには刺激を受けるし、彼を見てると何でもできる気がする。次は自分のスポートクライミングのレベルを進化させたい。

クライミングの最先端

今後のボルダーはパワー系かつ持久力系の課題が出てくる。2つの V14 や V15 をリンクさせた課題。それが V16。スポートルートはその可能性を持っていて、例えば、アダムは V13 セクションが複数あるスポートルートを登っている。ポール・ロビンソン(Paul Robbinson) もやりたがっている。

デイブのプロジェクトは?

デイブ・グラハムの Fionnay のプロジェクトはやばい。V14 と V15 をリンクしたルートで、V16 は楽にあるかも。二十数手あり、ボルダーと考えるには長すぎるという意見もあるけど、正直言って、ボルダリングとスポートクライミングの違いはロープの有無だけで長さは関係ない。ボルダー課題の傾向は持久力系かパワー系の 2つに分けられ、それらは 2種類の違ったスポーツ。

フォンテーヌブローもグレードは分けてるよね

そう、ヨーロッパではトラバース課題にも市民権があるが、アメリカでは時間の無駄と思われている(笑)。

EU でのスポートクライミングの目標は?

クリス・シャーマの Golpe de Estado と La Cappella はトライしたい。あとアダム・オンドラの Chaxi Raxi。スペインはやばいね。Action Direct や Realization といったクラシックルートも。Action Direct は 13歳の頃からやりたかった課題。
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